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微小流路を用いたCTC単離と検出システム (2)



2014/6/16 掲載

Probing circulating tumor cells in microfluidics.

Li P, Stratton ZS, Dao M, Ritz J, Huang TJ.

Lab Chip. 2013 Feb 21;13(4):602-9.

 

 今回は微小流路CTC単離と検出システムのうち、細胞のサイズやDEP法を用いたCTC単離方法についてご紹介します。

 

  • サイズに基づくCTC単離

 末梢血に含まれる他の細胞よりもサイズの大きなCTCが数多く報告されています。このサイズの違いを活かし、多孔質のメンブレンを使用してサイズの大きなCTCを補足し、免疫染色によって同定する方法があります。サイズといったCTCの性状に基づく単離方法には、細胞をラベリングせず高いスループットで低コストに単離できるという利点があります。一方で、CTCの補足効率や単離精製率が低く、CTCに物理的ストレスを与えやすい欠点もあります。

 S.Y.Zheng氏らは、微細加工 3-D ミクロフィルターを用いて、サイズに基づくCTC単離方法を改善しました。このミクロフィルターは、マクロスケールフィルターよりもサイズと密度が均一で、350cells/mLの濃度のMCF-7細胞を用いた試験では補足効率が86%と高い値を示しました。さらに、1mLの血液サンプルを数分でフィルター処理することができ、高いスループットも示しています。また、3-Dミクロフィルターの多孔メンブレン構造を調整し、フィルタリング工程で細胞に与える物理的ストレスを最小化し、単離したCTCを2週間培養できました。ただし、この装置はCTCが血中細胞よりも顕著に大きいことが分かっている場合に使用できます。

 

  • DEP法によるCTC単離

 不伝導性の粒子が不均一な電場にさらされると、電荷に関係なく誘電泳動(DEP)があらゆる粒子に作用します。粒子に働くDEPの大きさと方向は、粒子のもつ電荷の偏りに依存するため、粒子のタイプによって異なるDEP力が作用します。このDEPを利用して、ラベリングせずに細胞を単離することが可能です。

 細胞に作用するDEP力は、細胞の電気的性質だけでなく、出力された電場の強度や周波数にも依存します。ある範囲の周波数であれば、細胞は、電場を増大させる方向に動き(positive DEP)、一方で他の周波数の範囲では細胞は電場を減少させる方向に動きます(negative DEP)。

V.Gupta氏らは、がん細胞と血中細胞に作用するDEP力の方向性を変化させ、CTCを単離する微小流路を設計しました。ポリイミドフィルムを銅電極と金電極を組み合わせたもので金属コーティングし、微小流路フローチャンバーを作製しました。フローチャンバーの上流に溶出バッファーを流し、血液サンプルをフローチャンバーに沿って流します。45-85kHzの範囲で電極にAC電圧を出力させることによって、positive DEPの力は、がん細胞がフローチャンバー面に向かって動くように作用し、negative DEPの力はサンプルの血中細胞がフローチャンバー面から離れていくように作用します。従って、チャンバー下流では、がん細胞がフローチャンバーの出口に流れるので、がん細胞を単離することが可能です。
 装置の特徴として、バッファー液に末梢血単核細胞(PBMCs)と、SKOV3またはMDA-MB-231がん細胞を混入させた試験では、1mL/hあたりのスループットでおよそ70%の捕捉効率を示しました。単離後のCTCの生細胞率は97%以上で、単離した細胞は、通常の増殖率で1週間培養できました。この方法は細胞のラベリング工程が不要ですが、末梢血単核球を単離するため血液サンプルをバッファーと混合する工程が必要です。

※ 高強度、耐熱性、電気絶縁性をもつ多機能型フィルム。

 

 単離方法の詳細については、下の表にまとめています。画像をクリックするとPDFでの閲覧が可能です。

 

 

 


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